キャストの自主性が生み出す感動のCX

【楽しい時間と待ち受けていた悲劇】

一昨年の11月、私の誕生日の記念にディズニーリゾートで宿泊した時の話です。
その日は夕方からディズニーランドへ入国して、はやる気持ちを抑えてまずはミニーマウスのイヤーハットを購入しました。
そして、そのイヤーハットの耳のところにさっそく友人がもらってきてくれたバースデーシールを貼って、私はお祝いされる気満々でパークを闊歩していました。

バースデーシールをご存じない人もいると思うので説明すると、誕生日にディズニーリゾートに行くともらえる無料のシールで、そこにキャストさんが名前や日付を書いてくれるという代物です。

絵が得意なキャストさんに当たるとディズニーキャラクターのイラストを描いてくれることもあります。
ちなみに、私のバースデーシールにはスティッチが描いてあって、ちょうどリロアンドスティッチの映画を見たばかりのタイミングだったので、スティッチに愛着が湧いていて、それはもうテンションがあがりました!!

パーク内でしばらく楽しんでいると、あたりが暗くなり、プロジェクションマッピングのキャッスルショー(当時はワンスアポンアタイム)の時間になったので、ショーを見るために寒空の下、シンデレラ城周辺で座って待っていました。
座ってショーを鑑賞する場合、周りに配慮して大きな帽子やカチューシャは外すことになっているので、私ももちろんイヤーハットを外していました。

その結果…

察しの良い方ならもうお気付きでしょう。

そうです、イヤーハットを失くしてしまったのです…。

11月の下旬なので寒さ対策にブランケットや手袋など防寒具で荷物が多く、失くしたことに気付いたのは宿泊するホテルについてからでした。翌日イヤーハットを買いなおして、シールももらいなおせばよかったのかもしれませんが、せっかく友人が用意してくれたものだったので、ダメ元で翌朝メインストリート・ハウス(パーク内の総合サービス施設)へ行くことになりました。

【期待を超える感動体験】

メインストリート・ハウスに着いて尋ねてみると、私が昨日落としたイヤーハットは、踏みつけられたり、汚れたりもすることなく、無事に綺麗な状態で届けられていました。
ホッとして、本人確認手続きのため個人情報を記入し、受け取りを済ませました。

するとその時です…

イヤーハットとともに、なんと!バースデーシールを渡してくれたのです!(これで両耳にシールがつきました)

カウンターで対応してくれたキャストさんが、どうやら私が個人情報を記入している間に用意してくれていたようで、シールの表には私の名前と日付、シールの台紙には「はっぴーばーすでー」と書いてあり、とても嬉しくなって友人と声を上げて喜び、そんな素敵なサービスをしてくれたキャストさんのホスピタリティにとても感動しました。

ディズニーではキャスト自身が自主的にホスピタリティを発揮することを大切にしているため、サービスやゲスト対応に関するマニュアルがないと聞いたことがあります。
自主性を尊重する風土を醸成することでキャストのモチベーションや仕事に対する自信が生まれ、それによってゲストがハピネスを感じ、さらなるホスピタリティの向上につながるといった好循環がなされているディズニー。
それを身をもって体感できた素晴らしい出来事でした。