小売業におけるNPS運用成功の秘訣

NPSを指標化するにあたって、果たしてどのようにしたらうまくいくのかとお考えの方もいらっしゃるかと思います。
結論から言いますと、どの企業にもドンピシャで当てはまる「成功への近道」というものはありません。業種業態によっても当然違いますが、私たちが見てきた中では同じ業種業態であっても、組織構造やマネージメントによっても大きく変わるからです。
仮に万能な成功理論がもしあったとしたら、その理論を書籍化などにして情報は広がりNPS運用の一般的なメソッドとして既に定着しているはずですよね。
とはいえ、この記事をお読みにいただいているということはNPSを導入もしくは検討されている、うまくいかなくて困っている、もしかしたらやめてしまおうかなんて方もいらっしゃるかもしれませんので、成功に必要な要素について書いていきたいと思います。

<成功に必要な3つの要素>
①経営層のコミット
②企画部隊のお膳立てと組織の巻き込み
③実行部隊の当事者意識(自分ゴト化)と実行力

【①経営層のコミット】
まずは間違い無くこれです。NPSを指標(KPI)として採用するのであれば顧客至上主義の文化を企業に取り入れることが前提となりますので、経営層が顧客の声を何より重要な経営の資源と捉え、NPSの取り組みをオフィシャルなものとして認め、推進し、取り組みを実践していることを承認・賞賛することです。
それにはもちろん前提としてNPSが自社にとって有益な指標であるという裏付けを持っていく必要があります。

【②企画部隊のお膳立てと組織の巻き込み】
NPSの取り組みを始めるのはほとんどの場合、経営企画部やマーケティング部などのミドルマネージャーの方々が顧客の声での改善に伸び代があると必要性を感じ、取り組み始めます。
しかしながら、NPSの初回取得は企画部隊単体でできても、そこから先、改善活動に繋がっていかず取り組みが頓挫してしまうケースをたくさん見てきました。
NPSの肝は計測では無くなんといってもアクション(改善活動)ですので企画段階から①のような経営層を巻き込んだり、③の実行部隊の意見を吸い上げ、自分ゴトにできるよう巻き込んでいくイメージを持ってないとシームレスに運用できていきません。

【③実行部隊の当事者意識(自分ゴト化)と実行力】

NPSを指標として運用する上で核の部分であり、成功の可否に関わる部分が顧客と直接接点を持つ現場での改善アクションです。
NPSはあくまでも物差しでしかないので、お客さんの声(ギフト)をもらったところで何も変わらなければ顧客の気持ちは離れていってしまいます。ですからNPS(顧客の声)を指標として使い、現場のモチベーションも顧客ロイヤルティを上げる打ち手を直接打てる現場でNPSを主導していくべきなのです。
従来では、気候や品揃えや通行量など様々な変数に左右されるため、現場では完全にはコントロールできないはずの「売上」というKGIだけが現場に課せられた目標でしたが、接客など情緒的な価値提供で顧客ロイヤルティを向上できるKPI(NPS)であれば健全な店舗運営が実現できるのではないでしょうか。

ここまで書きましたが、これは成功要素という非常に抽象度の高い話ですので、この記事を読んでもピンとこない、イメージできない、手の届かない理想のような話だと感じられたかもしれません。

実際に壁を乗り越えた成功事例や自社に合った運用の成功方法を知りたいというご要望がありましたら、以下までご連絡ください。

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