ボールパークが生み出す最高の球場体験

スポーツの秋ですね!
皆さん、野球観戦はお好きですか?
プロ野球はレギュラーシーズンを終え、現在2019年シーズンの締めくくりとなる「日本シリーズ」が開催され、日本一に向けた熱戦が続いています。

野球が好きな方は耳にすることが多いとは思いますが、近年、球場での野球観戦において『ボールパーク』という言葉が聞かれるようになりました。

『ボールパーク』とは球場での楽しみ方を野球観戦のみに留まらず、エンターテイメント性を高めて様々な人が楽しめる場所づくりをしていく取り組みのことを指し、アメリカのメジャーリーグで始まりました。それを参考に日本のプロ野球球団でも『ボールパーク化』を目指した様々な取り組みが進んでいます。

現在行われている取り組みを例に挙げると、広島カープでは新球場建設に伴い、グループ観戦が楽しめる「ファミリーテラス」や掘りこたつ形式の「鯉桟敷」、寝そべったまま観戦できる「寝ソベリア」等の様々な座席の新設がされました。グループ観戦席は好評を博しており、バスタブで観戦できる「バスタベリア」など新たな席の新設も進んでいます。

ソフトバンクホークスでは、「FUKUOKA 超・ボールパーク宣言」と題して、ヤフオクドームの大規模改修やエンターテイメントビル(仮称)の建設を進めています。

また、ホークスを応援する女性ファン(タカガール)向けの特別イベント『タカガールデー』を年に数回開催し、近年増加している女性ファンに向けたサービスにも力を入れています。

横浜DeNAでは、「横浜スポーツタウン構想」を発表し、行政組織、パートナー企業が一体となって横浜スタジアムを核とした街づくりを進めています。

こういった各球団の取り組みの成果もあってか、プロ野球の観客動員数は着実に増え続けてきています。

横浜DeNAを例に挙げると、2011年から2018年で観客動員数は約110万人から200万人に増え、ファンクラブ会員も約6千人から9万2千人と劇的に増加したそうです。

日本球界全体を見ても、2019年シーズンにおいて、パリーグでレギュラーシーズンの観客動員数は1166万9891人(1試合平均2万7203人)と昨年対比で3.1%増加、セリーグでレギュラーシーズンの観客動員数は1486万7071人(1試合平均3万4655人)と4.4%増加しています。

野球の競技人口については減少が叫ばれている一方で、観客動員数が右肩上がりの現状を見ると『ボールパーク化』の取り組みは、新規のファンづくり及び既存ファンのさらなるエンゲージメント向上に一定の成果として表れていると言えそうです。

スポーツに勝ち負けはつきものですが、勝っても負けてもまた行きたいと思ってもらえるような球場体験をしてもらうための取り組みが、今後のチームを支えるファン作りの大きな鍵となっていると言えるのではないでしょうか。