第一印象がアップする自己紹介のコツ

もともとはフランスから来たようですが、英語でこんな諺があります。”Don’t judge a book by its cover”これを日本語に直訳すると「本の中身を表紙で判断するな」ですが、よりわかりやすいように日本語に訳すと、「見た目だけで物事(人)を判断してはいけない」になります。

もちろん、見た目で人を判断しないように気を付けたいとは思いますが、人間というのはどうしても見た目で人を判断する生き物でもあります。

ですので、私たちもやはり第一印象に影響する表情や仕草、身だしなみなどの外見や、声のトーンや話し方などにもできるだけ気を配りたいものです。特に接客業に携わる方は、お客様と初めて接するその一瞬で印象が決まってしまい、それがお店の満足度にも影響しかねないので、普段から意識をして十分に気を付けたいですね。また、新しい出会いの多くなる新年度も、第一印象には気を配りたいものです。

そこで今日は、ちょっと意識をするだけで、第一印象がよくなるコツをご紹介します。

社会心理学のパイオニアであるソロモン・アッシュ氏が行った実験では、最初の一言で、受け手の印象が変わるということが分かりました。

その実験とは、下記2つの自己紹介を参加者に聞かせるという実験を行いました。

A:「私は明るくおおらかな人間です。優柔不断なところもありますが、周りには慕われています。ただしいい加減で調子に乗りやすいところがあります」。
B:「私はいい加減で調子に乗りやすいところがあります。優柔不断なところもありますが、周りには慕われていますし、明るくおおらかな性格です」。

ほとんどの人が、Aからは「多少の欠点はあるけれど、基本的には明るくおおらかな人だ」とポジティブな印象を受け、Bからは「いい加減で調子に乗りやすくて、優柔不断だ」というネガティブな印象を受けるという結果になりました。基本的には同じことを言っているのに、ここまで印象が違うなんて面白いですよね。

この実験から明らかになったのは、最初に与えられた情報が印象に最も影響を及ぼすということ。アッシュ氏はこれを、”Primary Effect”(初期効果)と名づけました。

初期効果の面白いのは、長所を先に聞くと短所もポジティブな特徴の一部として解釈されるのに、短所を先に聞いてしまうと長所があっても全体的にネガティブな特徴として捉えられてしまうということです。

せっかく魅力的なところが多いのに、自己紹介のせいでネガティブな印象を持たれてしまったらもったいないですよね! ぜひこの機会に初期効果を活用し、より良い人間関係を築くきっかけにつなげてみませんか?